先週末9日のNY株式市場では、クラウド型のセキュリティサービスを提供するゼットスケーラー(@ZS/U)が前日比21.88％高の188.00ドルと急騰して取引を終えた。好調な足元業績や見通しが刺激材料となっている。
　前日引け後に発表された第4四半期（5〜7月）決算は、売上高が前年同期比61.39％増の3億1805万ドルに伸び、純損失が9765万ドルに拡大するという結果で（前年同期は8102万ドルの純損失）、売上高、調整後・希薄化後EPS（非GAAP、78.57％増の0.25ドル）ともに市場予想（それぞれ約3億572万ドル、約0.21ドル）を上回った。また、請求額（Calculated Billings）が57％増の5億2040万ドルに膨らんだ。
　会社側は翌年度（23年7月通期）の業績について、売上高を14億9000万〜15億ドル、調整後の希薄化後EPS（非GAAP）を1.16〜1.18ドルと予想した。ともに市場予想（それぞれ14億6800万ドル、約1.04ドル）を上回っている。
　Jay Chaudhry最高経営責任者(CEO)は決算資料で「不透明なマクロ環境が続くものの、私たちの『ゼロトラストエクスチェンジ』プラットフォームの需要は引き続き好調だ。ビジネスの安全性を高め、ITを簡素化し、コストを削減するからだ」とコメントした。
　ブローカーの間でも決算に対し、ポジティブな見方が多い。例えばRBCキャピタル・マーケッツは最新リポートで、「アウトパフォーム」の投資判断を維持し、目標株価を200→210ドル（↑5％）にやや上方修正。「通期ガイダンスは予想を上回り、年間を通じて上振れる可能性が高いとみている。力強い成長と収益性に感銘を受けた」と述べている。ウェドブッシュも「強気筋にとっての安心材料」と評価。「アウトパフォーム」の投資判断と200ドルの目標株価を維持した。


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