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2022/06/13 08:36

米国株大引け概況(詳報): 3日続落、インフレ加速に失望感 無料記事

 先週末10日のNY株式市場は、インフレ高進や消費者心理の悪化を受けて売りが続く展開。主要指標のダウ平均が前日比880.00ドル(2.73%)安の3万1392.79ドル、ハイテク株を中心に構成されるナスダック総合指数が414.21ポイント(3.52%)安の1万1340.02ポイントとそろって3日続落で取引を終えた。
 投資家心理を悪化させたのは、一部で期待されていたインフレの鈍化がみられなかったこと。5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比↑8.6%(市場予想:約↑8.3%)と上振れ、4月(↑8.3%)から加速した。食品・エネルギーを除いたコア指数は前年同月比↑6.0%と3月(↑6.5%)をピークに、4月(↑6.2%)、5月と鈍化基調にあるが、市場予想(約↑5.9%)ほど低下していない。インフレ加速で金融引き締め積極化の懸念がくすぶるなか、米国債が売られて金利は急伸。政策金利に敏感な2年債利回りが3.06%(↑0.25ポイント)、長期金利を代表する10年債利回りが3.16%(↑0.12ポイント)に上昇している。こうしたなか、6月のミシガン大学・消費者マインド指数は50.2(前月比↓8.2ポイント)に悪化し、統計開始以来の低水準を記録した。
 セクター別では、S&P500全11業種がすべて下落。金融引き締め積極化の懸念で、大型ハイテク株を含む一般消費財、情報技術、コミュニケーションの下げが目立った。EC大手のアマゾン・ドット・コム(@AMZN/U)が5.60%安、IT大手のマイクロソフト(@MSFT/U)が4.46%安、IT機器大手のアップル(@AAPL/U)が3.86%安、ソフトウェア大手のアドビ(@ADBE/U)が7.64%安と売られている。グロース株も安い。電子署名サービスのドキュサイン(@DOCU/U)が24.53%安と急落したほか、ゲーム開発用ソフトウェア大手のユニティ・ソフトウェア(@U/U)が10.65%安、出前注文サービスで米最大手のドアダッシュ(@DASH/U)が9.42%と値を下げた。
 長短金利差が縮小するなか、金融セクターも軟調。利ザヤ縮小が警戒され、ジェイピー・モルガン・チェース(@JPM/U)が4.60%安、ウェルズ・ファーゴ(@WFC/U)が6.07%安で引けた。


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