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2023/02/02 09:34

FRBが0.25%利上げ、「継続的な利上げが適切」との文言を維持 無料記事

 米連邦準備理事会(FRB)は1日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、市場予想通り0.25%の利上げを全会一致で決定した。短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)レートの誘導目標を従来の「4.25〜4.50%」から「4.50〜4.75%」に引き上げている。昨年11月まで4会合連続で0.75%の利上げを行った後、利上げ幅を前回12月に0.50%、今回に0.25%へ縮めている。足元で景気にやや陰りがみられるものの、インフレ抑制に向けて、なお1980年代前半以来の高水準に金利を引き上げている形だ。
 声明文では、インフレについて「やや緩和したが高止まり」と記述された。一部の市場参加者が修正を期待していた「目標範囲の継続的な引き上げが適切」との文言は維持されている。
 パウエルFRB議長はFOMC後の会見で、「過去3カ月で得られたインフレデータは、月次の上昇ペースが歓迎すべき低下傾向を示している。足元の展開は心強いが、インフレが持続的に低下基調にあると確信するには、さらに多くの証拠が必要だ」とコメントした。また、「金利をすでに累計で4.50ポイント引き上げたが、適切に制限的と思われる水準まであと複数回の利上げがあると話し合っている」と述べ、最低2回の利上げが残っていることを示唆した。このほか、「勝利宣言や目標を達成したと考えるのは時期尚早」と楽観に釘を刺す一方、「ディスインフレプロセスが始まったと初めて言えるようになった」と述べるなど、以前と比べて楽観的な発言もあった。
 なお、今後の見通しについては、タカ派的な当局側とハト派的な市場側で差がある。12月のFOMCで当局側はFFレートのターミナルレート(利上げサイクルの最終到達水準)を5.1%(=レンジでは5.00〜5.25%)と想定し、23年に利下げを行わないと示唆する一方、CMEグループの「Fed Watchツール」によると、市場は3月の次回会合で0.25%の利上げが実施され、そこで「打ち止め」になると予想。FFレートが「4.75〜5.00%」でしばらく横ばいとなった後、11〜12月頃に利下げへ転じるとのシナリオを描いている。


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