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2023/05/02 09:42

ファースト・リパブリック破綻、JPモルガン・チェースが買収 無料記事

 地銀大手のファースト・リパブリック・バンク(@FRC/U)について、連邦預金保険公社(FDIC)は1日、「FDICを管財人に指定したカリフォルニア州金融保護イノベーション局によってファースト・リパブリックが閉鎖された」と発表した。FDICはまた、預金者を保護するため、ファースト・リパブリックの全預金と実質的に全ての資産を引き継ぐための契約を金融大手JPモルガン・チェース(@JPM/U)との間で結んだことも明らかにした。
 ファースト・リパブリックの全預金者は、自動的にJPモルガン・チェースの預金者となる。ファースト・リパブリックの8州にある84支店は1日、JPモルガン・チェースの支店として通常通り営業する。
 FDICは推定で約130億ドルの費用(概算)を計上する見通し(CNBCによると、シリコンバレーバンクの時は約200億ドルの費用がかかった)。FDIC側は今回の件について「非常に競争の激しい入札プロセスが含まれ、連邦預金保険法の最小コスト要件に合致する取引が実現した」と強調している。JPモルガン・チェースが取得する住宅ローン、商業ローンの損失のほとんどをFDICが吸収するほか、新たに500億ドルの与信枠も提供する。
 JPモルガン・チェース側の発表によると、同行はFDICに106億ドルを支払い、ファースト・リパブリックが持つ預金920億ドルや融資1730億ドル、証券300億ドルを引き受ける。同買収の完了に絡み、約26億ドルの特別利益を計上する一方、向こう18カ月で統合費用20億ドルを計上する見通しだ。なお、同買収で年間利益が5億ドル余り増える見込みという。
 ファースト・リパブリックにとっては、アドバイザーを雇って模索していた救済策が不発に終わった形。最終的に規制当局が介入に踏み切り、JPモルガン・チェースに買収される形となった。


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