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2023/03/14 11:03

イルミナ17%高、アイカーン氏による委任状争奪戦が刺激材料 無料記事

 週明け13日のNY株式市場では、遺伝子解析機器大手のイルミナ(@ILMN/U)が前営業日比16.97%高の226.94ドルと急伸して取引を終えた。著名投資家が仕掛けた委任状争奪戦が刺激材料とみなされている。
 アクティビスト(物言う株主)として有名なカール・アイカーン氏はこの日、イルミナに対する委任状争奪戦を仕掛けた。イルミナ株主に送付した文書によると、規制当局からの反対にも関わらず、GRAILの買収手続きを21年8月に進めたことで「500億ドルの企業価値が失われた」として現経営陣を非難。委任状争奪戦を行い、次回のイルミナ株主総会で取締役3人を新たに指名する計画を表明している。なお、イルミナ取締役会と非公式にここ数週間交渉していたが、合意に達することが出来なかったことも明らかにした。
 アイカーン氏は同文書で、「無謀な意思決定が後戻りできない状況にエスカレートする前に、この狂気を終わらせる。そのために、少なくとも3人の株主代表がイルミナ取締役会に必要だ」と主張している。欧州当局の反対を押し切ってGRAILの買収を完了したことで、◆年間運営費用として8億ドルの出費を余儀なくされていること、◆4億5800万ドルの罰金を支払う可能性があること、◆GRAILを購入時と同じ価格で売却せざるを得なくなった場合に17億5000万ドルの税金を支払う可能性があること――などのリスクを生み出したという。
 一方、イルミナ側はアイカーン氏の候補者3人(アイカーン傘下企業の現従業員であるジェシー・リン氏、アンドリュー・テノ氏、元従業員のヴィンセント・イントリエリ氏)を支持しないことを株主に推奨した。候補者たちと面会したものの、必要なスキル、経験が不足しているため、アイカーン氏の提案を受け入れることが株主の最善の利益にならないと判断したという。


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