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2023/06/29 08:53

新たな対中規制でも悪影響は限定的=エヌビディアのクレスCFO 無料記事

 米バイデン政権が検討している人工知能(AI)用高性能半導体チップの輸出規制について、GPU大手エヌビディア(@NVDA/U)への悪影響は限定的なものになるようだ。エヌビディアのコレット・クレス最高経営責任者(CEO)は28日に開いたウェビナーで、さらなる規制が導入される可能性を認めつつも、世界的に強い製品需要を背景に「(仮に導入が決定されたとしても)業績にすぐ重大な影響を与えることはない」との認識を示した。
 その一方、規制が一段と強まれば、同社の成長ペースに悪影響がある恐れがることも指摘。「長期的には、当社のデータセンター向け製品の中国販売を禁止する規則が実施されれば、世界最大の市場の一つで米業界が競争、リードする機会が永久に失われる」と警鐘を鳴らしている。
 シティグループは最新リポートで、「中国のデータセンター向け売上高は、今年の同売上高300億ドルのうちの『5〜10%』と推定している。今年はAI向けチップの需要が供給を上回るとみており、エヌビディアは(中国で売れなかった)チップを他の場所に移せる」と分析した。
 AI関連システムの構築に必要なため、AIエンジニアからエヌビディア製「A100」や「H100」の引き合いが引き続き強い。バイデン政権が昨年10月、AIチップの輸出規制を導入したものの、エヌビディアは規制に抵触しないよう性能をダウングレードした「A800」「H800」を作って対中輸出を継続した。こうした状況下、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は27日に消息筋情報として「AIチップの輸出を巡り、米バイデン政権が新たな対中規制を検討している」と報道している。新たな規制は、昨年10月に発表した対中半導体規制の拡大版とされる。
 エヌビディア株は28日、前日比1.81%安の411.17ドルと反落して取引を終えた。


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