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2023/08/09 12:57

イーライ・リリー15%高、「Mounjaro」の需要増で見通しを上方修正 無料記事

 8日のNY株式市場では、医薬品大手のイーライ・リリー(@LLY/U)が前日比14.87%高の521.60ドルと急伸し、上場来高値を切り上げて取引を終えた。「やせ薬」需要の増加などを背景に好決算を発表したことが刺激材料となっている。
 この日発表された第2四半期(4〜6月)決算は、売上高が前年同期比28.11%増の83億1210万ドルに伸びるなか、純利益が同85.11%増の17億6320万ドルに膨らむという好結果で、売上高、調整後・希薄化後EPS(非GAAP、2.11ドル)ともに市場予想(それぞれ約75億8300万ドル、約1.99ドル)を大きく上回った。糖尿病治療薬「Mounjaro」の伸びが成長をけん引。22年6月に発売された同医薬品は売上高が9億7970万ドルに急拡大している(22年5月に米国で承認されたばかりのため、前年同期の同売上高は1600万ドルにとどまる)。
 デイビッド・リックス最高経営責任者(CEO)は電話会議で、「『Mounjaro』、『Verzenio(乳がん治療薬)』、『Jardiance(糖尿病治療薬)』の成長によって、増収ペースが加速した」とコメントした。会社側は好業績を踏まえ、通期ガイダンスを大幅に上方修正している。
 市場ではこのところ、糖尿病治療薬「Mounjaro」の肥満治療効果に期待が集まっている状態。ある臨床データでは、競合ノボ・ノルディスク製の肥満治療注射薬「Wegovy」「Ozempic」よりも効果が高い可能性が示されている。イーライ・リリー側の説明によると、「需要が大きいため、特定用量の『Mounjaro』の注文履行に断続的な遅延が発生しており、今後も遅延が続く見込み」。同社経営幹部は電話会議で、「Mounjaro」などを製造するノースカロライナ工場の生産能力を増強していることを明らかにしたものの、「今後数カ月、数四半期は引き続き需給がひっ迫する可能性が高い」と補足した。


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