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2023/08/01 10:32

J&Jが4%安、ベビー・パウダー訴訟の解決に再び失敗 無料記事

 7月31日のNY株式市場では、ヘルスケア大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(@JNJ/U、以下J&J)が前営業日比3.98%安の167.53ドルと急落して取引を終えた。長らく続いている「ベビーパウダー訴訟」の解決が遠のいたことが嫌気されている。
 米現地メディアによると、米国破産裁判所のマイケル・カプラン判事は先週末28日、ベビーパウダー事業を手掛ける子会社「LTLマネジメント」の破産申請を却下した。「煙の匂いはするが火事にはなっていない」と述べ、「ベビーパウダー訴訟」によって「LTLマネジメント」が直ちに財政難に陥ったわけではないと判断している。J&J側はこの決定に対し、控訴する方針を示した。
 J&Jは現在、タルクを原料としたベビーパウダーを巡って数万件規模の訴訟を抱えている。21年2月、ベビーパウダー事業を手掛ける子会社「LTLマネジメント」にタルク訴訟を集中させた上で経営を分離し、和解促進に向けて「LTL」を破産させる計画を立てたが、23年1月末に裁判所によって同破産申請が却下された。その後、4月4日に「LTL」の破産を再申請していたが、今回再び却下された格好だ。
 これまでの報道によると、J&J側は被害者からの補償請求に対して、最大89億ドル(現在価値ベース、公称では約120億ドル規模)の支払いを向こう25年間に渡って行うことに同意している。LTL破産に絡み以前に基金設立で合意した「20億ドル」から69億ドルほど上乗せした。原告6万人以上が同提案を支持することを確約しているという(実行には破産裁判所の承認が必要)。


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