詳細
検索 (期間指定)
期間

2023/03/10 10:27

SVBファイナンシャル60%安、経営環境の悪化に対する警戒強まる 無料記事

 9日のNY株式市場では、シリコンバレー発の金融グループであるSVBファイナンシャル(@SIVB/U)が前日比60.41%安の106.04ドルと暴落して取引を終えた。バランスシート強化に向けた増資計画を発表したことで、経営環境の悪化に対する警戒感が強まった格好。急激なボラティリティの高まりを受け、場中に何度も売買停止になる状態だった。
 ことの発端は、同行が8日引け後、総額22億5000万ドルの増資計画を発表したこと。グレッグ・ベッカー最高経営責任者(CEO)は電話会議で、「これらの措置は、継続的な金利の上昇、公開・非公開マーケットでの圧力、我々の顧客の資金燃焼ペースの加速――などが予想されることを踏まえたもの」と説明した。また、資金調達のため、売却可能な有価証券ポートフォリオ(約210億ドル相当)をほぼ全て売却し、多額の損失を計上することも公表している。
 同行はスタートアップ企業と深く関わってきたため、インフレ加速・金利高の現在、顧客の多くが資金繰りに困っていること、低金利時代に行った投資の損失がかさんでいることを示唆した格好。また、仮想通貨関連事業に注力していたシルバーゲート・キャピタル(@SI/U)が傘下銀行の清算を発表したことも同懸念を強めることにつながった。
 SVBファイナンシャルの預金流出懸念も浮上。ブルームバーグ通信が消息筋として伝えたところによると、ピーター・ティール氏のファンドなど、著名なベンチャー・キャピタル(VC)数社が9日、投資先企業に対し、SVB傘下のシリコンバレー銀行から預金を引き揚げるよう助言したもようだ。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース