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2023/06/15 09:07

FRBが政策金利を据え置き、「年内2回の追加利上げ」の可能性残す 無料記事

 米連邦準備理事会(FRB)は14日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、市場予想通り利上げを見送ることを全会一致で決定した。短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)レートの誘導目標を従来の「5.00〜5.25%」に据え置いている。インフレ抑制に向けて、2022年3月から今年5月の会合まで計10回、累計「5%」の利上げを行った後にその動きを一時停止した格好だ。
 政策金利を据え置いたのは、さらに追加情報を得て、金融引き締めの影響を評価するため。パウエルFRB議長は会合後の記者会見で「これまで計5%の利上げを行い、保有証券を急速なペースで減らし続けてきた。多くのことをしてきたが、引き締めの完全な効果はまだ実感されていない」とコメントし、引き締め効果が浸透するまでの時間差を指摘した。次回の会合(7月25〜26日)で再び利上げする可能性については、「まだ未定」と述べている。
 ただ、メンバーによる四半期ごとの経済・金利見通し(SEP)では、年内残り4回の会合でさらに「0.5%(0.25%を2回)」の利上げが実施される可能性を示唆した。FFレートの23年予想(中央値)が5.6%(従来予想:5.1%)、24年予想が4.6%(同:4.3%)に引き上げられている。「ドットプロット」ではメンバーの意見が分かれ、うち2人が「年内の追加利上げはない」と予想する一方、ほぼ半数の9人が2回の利上げ、3人が3〜4回の利上げを見込んだ。
 タカ派的な利上げ見通しの背景には、想定より堅調な景気動向がある。GDP予想成長率について、23年を1.0%(従来予想:0.4%)に引き上げ、24年を1.1%(同:1.2%)に設定した。失業率の予想については、23年を4.1%(同:4.5%)、24年を4.5%(同4.6%)に引き下げている。ただ、2%への抑制を目指すインフレ率(コアPCE)の23年予想に関しては、3.9%(同:3.6%)に引き上げ、緩慢な減速ペースに警戒感を示した。


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