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2020/12/14 09:12

週間相場見通し:もみ合いか 無料記事

 今週のNY市場は、好悪材料が入り混じる中で揉み合う展開か。相場を下支えする材料は、世界的な金融緩和の長期化観測と米政局の不透明感後退だ。欧中央銀行(ECB)が10日、量的緩和策を発表したほか、今週のFOMC(15 16日)でも追加緩和が打ち出される見通し。これにより、「居心地の良い適温相場」の環境が更に整うことになる。また、政局の不透明感も薄らぎつつある。本日14日に大統領選の選挙人投票が予定され、バイデン氏が過半数を獲得する見通し。トランプ大統領は依然として敗北を認めていないが、自ら「選挙人による投票でバイデン氏の勝利が確定すれば、ホワイトハウスを去る」と11月に宣言していただけに、ほぼタイムリミットを迎えることになる。
 一方、懸念材料としては新型コロナの感染再拡大による経済活動の停滞が挙げられる。欧米の主要経済指標が悪化しつつある上、景気対策を巡る米国の与野党協議が遅々として進んでいないためだ。11月の雇用統計に続き、今週発表される11月の小売売上高もさえない内容になることが予想されている。
 また、「だからこその金融緩和」と期待したいところだが、この動きをマーケットはある程度織り込んでしまった感がある。先週10日の欧州株マーケットでは、ECBによる前日の「満額回答」にもかかわらず株価がさえない反応を示したうえ、翌11日は欧州各国の株価が軒並み大きく下げている。
 他の懸念材料としては、◆最悪の事態が回避されるとはいえ、英国とEUの離脱交渉に依然として不透明感が漂っていること、◆トランプ大統領が置き土産的な外交を進めることで、米中対立がさらに激化する可能性があること――なども挙げられよう。
 なお、ワクチンの開発・供給は「諸刃の剣」としての性質もある。順調に進展していると伝えられれば、景気回復期待が高まるものの、米長期金利の上昇によるハイテク株のバリュエーション調整をもたらす恐れが強まる。


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