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2023/03/08 08:48

米国株大引け概況(詳報): 下落、パウエルFRB議長のタカ派発言を嫌気 無料記事

 7日のNY株式市場は、大幅利上げの懸念が蒸し返されるなかで売られる展開。主要指標のダウ平均が前日比574.98ドル(1.72%)安の3万2856.46ドルと反落したほか、ハイテク株を中心に構成されるナスダック総合指数が145.41ポイント(1.25%)安の1万1530.33ポイントと続落で取引を終えた。機関投資家がベンチマークとするS&P500指数は、62.05ポイント(1.53%)安の3986.37ポイントで引けている。
 パウエルFRB議長のタカ派発言が相場の重し。米議会上院での証言では「最新の経済指標は予想を上回り、最終的な政策金利の水準が想定よりも高くなる可能性が高いことを示唆している」と説明した上で、「統計全体がより速い引き締めを正当化するのであれば、利上げペースを速める準備をする」と述べた。市場では、同コメントが次回のFOMC(開催日:3月21〜22日)でより大きな0.50%の利上げを検討する可能性があると受け止められている。長期金利を代表する10年債利回りは3.96%で横ばいだったが、より短い2年債利回りが5.01%(↑0.12ポイント)と2007年以来で初めて「5%」を超えた。両者のスプレッドが一段と開くなか、景気不安が拡大している。
 セクター別では、S&P500全11業種がすべて下落。景気不安が強まるなか、なかでも景気動向に影響される金融、素材、エネルギーなどの下げが目立った。金融大手のウェルズ・ファーゴ(@WFC/U)が4.67%安、JPモルガン・チェース(@JPM/U)が2.94%安、鉱山開発大手のフリーポート・マクモラン(@FCX/U)が6.06%安、石油大手のエクソン・モービル(@XOM/U)が1.93%安と値を下げている。このほか、ハイテク株も軟調。IT機器大手のアップル(@AAPL/U)やネット検索大手のアルファベット(@GOOGL/U)もそれぞれ1.45%、1.48%ずつ下落した。
 一方、航空株は逆行高。ユナイテッド・エアラインズ(@UAL/U)が2.99%高、デルタ・エア・ラインズ(@DAL/U)が1.59%高と強含んだ。格安航空会社のジェットブルー・エアウェイズ(@JBLU/U)によるスピリット・エアラインズ(@SAVE/U)の買収計画について、米司法省が阻止を目指して提訴したことで競争激化懸念が後退したことが支援材料とみなされている。


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