14日のNY株式市場では、鉄鋼大手のUSスチール(@X/U)が前営業日比36.80％高の31.08ドルと急騰して取引を終えた。買収ターゲットになっていることが刺激材料だ。
　同社は週末13日、事業の一部〜全体に対し、クリーブラント・クリフスなどから「複数」の買収提案を受け取ったことを公表し、株主価値の最大化に向けて戦略的代替案を検討すると発表した。社外の財務顧問（バークレイズとゴールドマン・サックス）と法律顧問を招聘して見直しに着手したと明らかにしている。クリーブラント・クリフスからの提案については、「適切なデューデリジェンスの実施を待たずに条件を受け入れるよう迫られたため」に拒否したという。
　クリーブラント・クリフスが13日に公表した買収提案内容によると、買収総額は約73億ドル。USスチール株1株を35.00ドル（現金17.50ドルとクリフス株1.023株）と評価する内容だった。
　14日には、2社目の買い手候補も浮上。非上場の産業コングロマリット、エスマーク（Esmark Inc.）がUSスチールに対し、1株現金35ドルでの買収提案を行っていたことが明らかになっている。エスマークは現在、USスチールの欧州部門元副社長だったジェームズ・ブーチャード氏によって経営されている。


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