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2023/02/27 10:21

成長懸念でアドビ8%安、米司法省がフィグマ買収阻止を計画か 無料記事

 先週末24日のNY株式市場では、ソフトウェア大手のアドビ(@ADBE/U)が前日比7.63%安の320.54ドルと急落して取引を終えた。競合企業の買収計画に不透明感が強まったことが嫌気されている。
 ブルームバーグ通信などが23日遅くに消息筋情報として伝えたところによると、昨年9月に発表されたデザインソフトウェア企業のフィグマ(Figma)を総額200億ドルで買収する計画について、米司法省が阻止に向けた訴訟を起こす準備しているもよう。早ければ3月にも提訴する可能性があるという。
 SVB傘下モフェットネイサンソンのアナリストによると、フィグマの買収が阻止された場合、「Creative Cloud」のクラウド化計画が2年遅れ、アドビの成長に大きなマイナスになる恐れがある。「『Creative Cloud』スイートはすでにクラウド上にあると思うかもしれないが、そうではない。主要な機能は(ユーザーの)デバイス上で行われている。一方、競合のCanvaは完全にクラウド上で実行され、ブラウザ経由でアクセスできる」という。
 アドビは昨年9月、フィグマを総額200億ドル(100億ドルの現金と100億ドル相当の株式)で買収すると発表。規制当局やフィグマ株主の承認を待って、2023年内に手続きを終える予定とされていた。CNBCによると、12年創業のフィグマはクラウドべースのソフトウェアを手掛け、ここ数年はアドビの競合企業として台頭していた。安価で無料利用枠がある上、使いやすく、共同作業ができ、モダンなため、大企業や中小企業問わずデザイナーの間で急速に使われるようになっていたという(同社の年間経常収益は2年連続で倍増し、今年に4億ドルを超える見通し)。


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