今週のNY株式市場は、好悪材料が入り混じる中で揉み合う展開が予想される。
　ポジティブな動きは、米利上げ長期化の懸念が遠のいたこと。金融リスクや景気不安が広がる中、いずれ利上げを休止せざるを得なくなると期待されはじめた。3月のFOMCは、想定通り0.25％の利上げということで無事に通過。また金利スワップ市場では、5月の利上げ見送りの予想が強まっている状態だ。これにより、先週末の米10年債利回りは3.376％まで低下した（3月初旬は4.1％）。
　一方、もう一つの懸案事項である金融システム不安については、なお予断を許さない状況だ。米地銀やクレディ・スイスの経営問題は収束に向かいつつあるが、先週末の欧州市場ではドイツ銀やフランスの大手銀などが軒並み急落するなど、次の火種が警戒されはじめている。


内容についてのお問い合わせは＜info@ashuir.com＞まで。