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2023/03/13 08:49

米国株大引け概況(詳報): 続落、SVB破綻でリスク回避 無料記事

 先週末10日のNY株式市場は、リスク回避姿勢が強まるなかで幅広く売られる展開。主要指標のダウ平均が前日比345.22ドル(1.07%)安の3万1909.64ドル、ハイテク株を中心に構成されるナスダック総合指数が199.46ポイント(1.76%)安の1万1138.89ポイントとそろって続落して取引を終えた。機関投資家がベンチマークとするS&P500指数も、56.73ポイント(1.45%)安の3861.59ポイントと続落して終了。小型株を代表するラッセル2000指数は、53.88ポイント(2.95%)安の1772.70ポイントと大きく値を下げた。
 注目されていた2月雇用統計は、非農業部門雇用者数が上振れる一方、失業率が上昇し、平均時給の伸びが減速するなどまちまちな結果。3月のFOMC会合で「0.50%利上げ」をするほど労働市場が過熱していないとの見方で主要株価指数は一時プラス圏に浮上する場面もあったが、その後はSVBファイナンシャル(@SIVB/U、売買停止)を巡る問題で「金融システム全体に影響が広がるのではないか」との懸念がくすぶるなかで下げ幅が拡大した。昼頃に「SVBファイナンシャル傘下のシグネチャーバンク(SVB)が経営破綻し、連邦預金保険公社(FDIC)の傘下に置かれることになった」と突如発表されたことで、リスク回避の動きが加速。米国債が買われ、2年債利回りと10年債利回りはそれぞれ4.59%(↓0.28ポイント)、3.70%(↓0.20ポイント)に急低下した。
 セクター別では、S&P500全11業種がすべて下落。生活必需品やヘルスケアなどディフェンシブなセクターで売りが小さかったが、小型金融株を中心に幅広く売られている。金融株では、SVB問題で利益を得ると見方でJPモルガン・チェース(@JPM/U)が2.54%高と買われる一方、シグニチャー・バンク(@SBNY/U)が22.87%安、ファースト・リパブリック・バンク(@FRC/U)が14.84%安、チャールズ・シュワブ(@SCHW/U)が11.69%安と急落した。このほか、経営幹部の辞任などを発表したクラウド型電子署名サービスのドキュサイン(@DOCU/U)が22.85%安と売られたほか、投資判断の格下げで建機大手のキャタピラー(@CAT/U)が5.79%安と下落している。


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