29日のNY株式市場は、銘柄ごとに売り買いまちまちの展開。主要指標のダウ平均が前日比13.44ドル（0.04％）高の3万5430.42ドルと小幅続伸する一方、ハイテク株を中心に構成されるナスダック総合指数が23.27ポイント（0.16％）安の1万4258.49ポイントと小反落で取引を終えた。機関投資家がベンチマークとするS&P500指数も、4.31ポイント（0.09％）安の4550.58ポイントと小反落で引けている。ただ、小型株を代表するラッセル2000指数は、11.00ポイント（0.61％）高の1803.81ポイントと反発した。
　寄り付き直後に買いが優勢だったが、その後は大型ハイテク株などが売りに押された。利上げサイクルの終了や早期の利下げ転換が期待されるなか、米国債の上昇は相場を下支え。長期金利を代表する10年債利回りが4.26％（↓0.06ポイント）と低下し、9月以降で初めて4.3％台を下回っている。
　セクター別では、S&P500全11業種のうち6業種が上昇（5業種が下落）。金融や素材、資本財などのセクターが買われた。金融大手のバンク・オブ・アメリカ(@BAC/U)が2.64％高、物流大手のユナイテッド・パーセル・サービス(@UPS/U)が1.03％高、鉄鋼大手のニューコア(@NUE/U)が1.63％高と値を上げている。このほか、100億ドルの自社株買いと33％の増配を打ち出した自動車大手のゼネラル・モーターズ(@GM/U)も9.38％高と急伸した。
　また、中小型株を中心に好決算銘柄の上げも目立つ。セキュリティソフトベンダーのクラウドストライク(@CRWD/U)が10.40％高と急伸して他のセキュリティ銘柄の連れ高につながったほか、データ管理ソリューションのネットアップ(@NTAP/U)が14.63％高、会計ソフト大手のインテュイット(@INTU/U)が2.15％高、クラウド型財務・人事管理ソフト大手ワークデイ(@WDAY/U)が11.02％高、スポーツアパレル企業のフット・ロッカー(@FL/U)が16.07％高と値を上げている。
　一方、コミュニケーションや一般消費財、エネルギー、生活必需品などのセクターは下落。大型ハイテク株が売られ、ネット検索大手のアルファベット(@GOOGL/U)が1.60％安、SNS大手のメタ・プラットフォームズ(@META/U)が2.00％安、IT大手のマイクロソフト(@MSFT/U)が1.01％安、IT機器大手のアップル(@AAPL/U)が0.54％安と値を下げた。


内容についてのお問い合わせは＜info@ashuir.com＞まで。