詳細
検索 (期間指定)
期間

2023/11/30 09:36

GMが9%高、100億ドルの加速型自社株買いや33%の増配などを好感 無料記事

 29日のNY株式市場では、自動車大手のゼネラル・モーターズ(@GM/U)が前日比9.38%高の31.60ドルと急伸して取引を終えた。来年に向けて投資家の信頼を取り戻すべく打ち出した施策が好感されている。
 同社はこの日の「インベスター・デイ」で、全米自動車労組(UAW)の約6週間に渡るストライキの影響を概説した後、株主還元の強化を打ち出した。来年1月発表の四半期配当を0.09→0.12ドル(↑33%)に引き上げるほか、短期間で実行する100億ドルの「加速型自社株買い(ASR:Accelerated Share Repurchase)」計画を発表している(同自社株買い計画は2024年第4四半期に完了予定)。
 メアリー・バーラ会長兼最高経営責任者(CEO)は「顧客に愛される車の優れたポートフォリオと経営規律によって、23年に非常に高い利益を得る見通し」と述べた上で、10月に撤回した23年通期ガイダンスを復活させた。調整後EBIT(非GAAP)を「117億〜127億ドル(7月時点の従来予想:120億〜140億ドル)」、純利益を「91億〜97億ドル(同:93億〜107億ドル)」に見込んでいる。同ガイダンスには、ストライキに伴う生産の損失「推定11億ドル(調整後EBITベース)」を反映させた。
 CNBCによると、新たな労使協定については、「コストが93億ドル増え、車両1台当たりのコストが約575ドル増える見込み」と発表。UAWとの同合意には、◆最低25%の時給引き上げ、◆生活費調整(COLA:cost-of-living adjustment)の復活、◆利益分配金の強化――などが盛り込まれたと明らかにしている。これらコスト増の一部を相殺するため、23年の設備投資額を「110億〜115億ドル(従来予想:110億〜120億ドル)」に引き下げると決定。特にEVに関し、一部の新製品や投資を延期した。また、目下「問題」に取り組んでいる自動運転子会社クルーズに関しても、24年の支出を前年比で数億ドル減らす方針を示している。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース