半導体デバイス大手のブロードコム(@AVGO/U)は21日、仮想化ソフトウェア大手VMウエア(@VMW/U)の買収手続きを22日に終えると発表した。合併承認の条件となっていた追加の「コミットメント・プラン」をブロードコムが20日提出したため、中国の独占禁止法規制当局が正式に承認した格好だ。
　「米国の半導体輸出規制強化に対抗し、中国が買収を承認しない」という懸念が出ていたものの、15日の米中首脳会談で両国の融和ムードが強まったことが承認につながったと見られる。また、ブロードコムのホック・タン最高経営責任者（CEO）が中国で激しいロビー活動を展開し、中国の政治家、規制当局などとの会談を繰り返したことも大きく寄与したもようだ。
　ブロードコムは22年5月、VMウェアを約610億ドルで買収すると発表し、すでにオーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、欧州連合、イスラエル、日本、南アフリカ、韓国、台湾、英国の規制当局から承認を受けていた。米国で独占禁止法上の障害がなかったため、中国の承認のみが残されていた形だ。英フィナンシャル・タイムズ（FT）によると、合併後の中国売上高が4億人民元 （5500万ドル）を超えた場合に当局の承認を得る必要があることから、すでに同売上高が100億ドルを超えているブロードコムはこれに該当していた。
　21日のNY株式市場では、ブロードコムの株価が前日比1.46％安の981.20ドル、VMウエアが4.96％安の142.48ドルと下落して取引を終えた。


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