全米不動産業者協会(NAR)は18日、3月の中古住宅販売件数（季節調整済み、年率換算ベース）を発表し、前月比4.3％減の419万戸に縮小したことを明らかにした（前年同月比で3.7％減）。市場予想（約420万戸）をやや下回っている。
　中古住宅の在庫量は3月末時点で、前月比4.7％増の111万戸（前年比では14.4％増）。現在の販売ペースで約3.2カ月分に相当し、2月末（2.9カ月分）からやや増加した（需給バランスのとれていた通常の在庫状態は約6カ月分）。
　中古住宅の販売価格（中央値）は39万3500ドル。前年同月比で4.8％上昇しているものの、「40万ドル」の大台を上回っていた昨年夏場の水準は下回っている。
　NARチーフエコノミストのLawrence Yun氏は統計結果について「景気循環的な底から回復しているいものの、金利が大きく動いていないため、住宅販売は停滞している」とコメントした。ただ、コロナ禍前の水準よりも雇用が600万件近く増えているため、「意欲的な住宅の買い手が存在する」と分析している。
　中古住宅販売（米国住宅販売市場の約90％）のデータを集計するNARは、約130万人の会員を持つ米不動産業界で最大の団体。会員は住宅用・商業用不動産のブローカー、不動産販売員、不動産管理者、不動産鑑定士、不動産カウンセラーなど不動産業界の関係者で構成されている。


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