20日のNY株式市場では、バイサイド（広告枠購入側）特化型アドテク企業のトレードデスク(@TTD/U)が前日比3.75％高の123.90ドルと上昇して取引を終えた。スマートTV用OSを投入する計画を発表したことが刺激材料となっている。
　トレードデスクはこの日、スマートTV向けの新OS「Ventura」を発表した。スマートTVのOEM(相手先ブランド製造会社)、その他ストリーミングTVアグレゲーター（航空会社やホテルなど複数のストリーミングサービスを一つにまとめて提供する企業）と提携し、「Ventura」を早ければ2025年から展開する方針を明らかにしている。
　会社側によると、新OS「Ventura」は、ユーザー体験の向上、広告供給チェーンの効率化、広告ターゲティングの精度向上などが期待できる製品。すでにウォルト・ディズニー(@DIS/U)やパラマウント・グローバル(@PARA/U)など主要メディア企業4社が支持を表明している。
　一方、既存企業にとっては競争激化が警戒される流れ。スマートTV向けプラットフォーム「Roku OS」を手掛けるストリーミング端末大手のロク(@ROKU/U)の株価は20日、前日比6.66％安の68.71ドルと急落した（「Roku OS」のほか、アマゾンの「Fire TV」、グーグルの「Google TV」などが主要プレイヤー）。自社でコンテンツを保有していないトレードデスクがメーカーや広告主に対し、より中立的な代替案を提供することで既存プレイヤーの優位性が揺らぐ可能性が警戒されている。


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