今週のNY株式市場は、中東情勢の混迷化が警戒される中で上値の重い展開となりそうだ。
　イスラエルによるイラン攻撃がイランの報復を呼び、両国の紛争は今や全面戦争に転じつつある。地政学リスクの高まりとともに原油価格も急騰。WTI原油価格が1バレル＝72.98ドルに跳ね上がり、週初の65ドル台から1割以上も上昇した。
　先週までの相場押し上げに一役買った米中合意についても、過度な楽観スタンスは薄らぎつつある。内容自体に新味がなかったうえ、中国側のレアアース輸出認可再開も緩やかなベースにとどまると見られるためだ（6カ月の制限条項がついていると伝えられた）。合意の詳細が未だ公表されていないことも気がかりと言える。
　米国国内では、今週発表される5月の重要経済指標にも注意を要する。特に米小売売上高は前月比0.6％減と、前回の0.1％増からマイナスに転じると予想されているため（駆け込み需要が一服するとみられていることが背景）、大きく下振れた場合は景気不安が蒸し返される可能性もあろう。


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