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2019/09/10 10:06

アセットアロケーションの動き、グロースからバリューへ 無料記事

 週明け9日のNY株式市場では、「高成長のハイテク銘柄」から金融や石油など「割安で動きの遅い銘柄」に資金をシフトする動きがみられた。
 著名株式評論家のジム・クレイマー氏はこの日、自身が司会をするCNBCの投資番組「マッド・マネー」で「貿易紛争を巡る報道や金利の見通しがきっかけとなって引き起こされた」と解説。「中国との貿易交渉がある程度進展すると期待されているようだ。個人的には懐疑的だが…希望は常にある。それに加え、先週末のそれほど良好でない雇用統計を受け、米金融当局が利下げするしかないという確信もある」と背景を説明した。
 市場の見方が突然変わった例として、ECサイト構築支援サービスを手がけるショッピファイ(@SHOP/U)とセキュリティソフト新興企業のクラウドストライク(@CRWD/U)を挙げた。ベアードが売上高見通しを引き上げたショッピファイが5.72%安、先週末に売上高の上振れとガイダンスを上方修正したクラウドストライクが11.69%安と急落したことについて、「(ショッピファイの)唯一の問題は、十分な利益を上げていない点だ。1株358ドルの銘柄だが、19年の予想EPSは約0.70ドルにすぎない。クラウドストライクはまだマイナスのEPSが続くと予想されている」と述べたうえで、「市場は突然、損失を見たくなくなった。代わりに、安い株や潤沢な利益を得ている銘柄を望んでいる」と解説した。
 割安な銘柄としては、配当利回り3%・PER約9倍の金融大手シティグループ(@C/U)を挙げたほか、ゴールドマン・サックス(@GS/U)、ジェイピー・モルガン・チェース(@JPM/U)を付け加えた。また、出遅れている石油セクターからは、配当利回りが4%を超えるシュルンベルジェ(@SLB/U)とアパッチ(@APA/U)、配当利回りが約6.6%に上る英BP(@BP/U)を挙げている。
 ただ、「高成長株が流行遅れになることは決してない」とも主張。クラウド顧客管理大手のセールスフォース・ドットコム(@CRM/U)と企業向けクラウドID管理サービスを手掛けるオクタ(@OKTA/U)については、株価が下げた場合に購入することを推奨した。


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