詳細
検索 (期間指定)
期間

2019/09/13 10:18

歯列矯正のスマイルダイレクトクラブ、上場初日は28%安で終了 無料記事

 歯列矯正サービスを手がけるスマイルダイレクトクラブ(@SDC/U)は12日、ナスダックに上場し、公募価格(23ドル)を27.52%下回る16.67ドルで初日の取引を終えた。仮条件(19〜22ドル)を上回る公募価格が設定されていたが、この日は公募価格を10.65%下回る20.55ドルで寄り付いた後、一貫して下落基調を辿っている。
 「ユニコーン(時価総額10億ドル以上の未上場ベンチャー企業)」の一つだった同社は、今回のIPOで約5854万株を発行し、13億ドル超を調達した。同社の企業価値は、公募時に約89億ドルと算定されたものの、この日の終値ベースでは約64億ドルに低下している。
 上場目論見書によると、2014年に創業されたスマイルダイレクトクラブは、オンラインサイトと実店舗「SmileShops」を通じた直販モデルで急成長中。歯列矯正用のアライナーを1895ドルから販売している。歯科医院での従来型サービス(費用5000〜8000ドル)と比べて安価なうえ、治療期間やアクセス面で優位性があるほか、ローンの面でも競争力があるという。各顧客向けにカスタマイズしたクリアアライナーの製造(創業当初はサードパーティ製だったが、16年から自社で製造)には、実店舗での3Dスキャンか、顧客の自宅に送られる印象採得キットを用いる。
 2018年の業績は、売上高が前年比2.89倍の4億2323万ドルに膨らむ一方、純損失が2.28倍の7477万ドルに拡大するという結果。売り上げの伸びは、販売網の拡大が寄与した。ただ、マーケティング・販売費と一般管理費がそれぞれ3.31倍の2億1308万ドル、2.52倍の1億2173万ドルに急増したため、最終的には大幅な赤字を強いられた。
 14年の創業以来、累計70万人以上の顧客にサービスを提供した。現在では米国50州、プエルトリコ、カナダ(18年11月に進出)、オーストラリア(19年第2四半期に進出)、英国(19年第3四半期に進出)で事業を展開する。今後も海外の他のエリアに進出する予定だ。実店舗「SmileShops」は300カ所を超えた。ドラッグストアのウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(@WBA/U)やCVSヘルス(@CVS/U)と提携し、ドラッグストア内店舗も相次いで開業している。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース