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2020/10/01 12:57

アサナが30日に米上場、初日は参考価格比37%高で終了 無料記事

 プロジェクト管理ツールを手がけるアサナ(@ASAN/U)は9月30日、ナスダックに上場し、参考価格(21.00ドル)を37.14%上回る28.80ドルで初日の取引を終えた。参考価格比28.57%高の27.00ドルで寄り付き、一時42.66%高の29.96ドルまで買われた後、いったん26.94ドルまで売られたが、その後に再び上昇している。
 アサナが今回の上場で採用したのは、スポティファイ(@SPOT/U)やスラックテクノロジーズ(@WORK/U)と同様の「ダイレクト・リスティング(直接上場)」という特殊な方式。一般的な上場方法とは異なり、新株の発行がなく、既存株式の売り出しもなく、引受幹事も存在しない。上場にかかる手数料が低く抑えられる一方、上場後の株価変動が大きくなる可能性がある点が特徴だ。ただ、既存の投資家にとっては、IPO時に設定されるロックアップ(180日間)を待たずに一部の株式を売却できる利点がある。
 上場目論見書によると、フェイスブック(@FB/U)共同創業者(起業時の最高技術責任者)のダスティン・モスコヴィッツ氏が2008年に設立したアサナは、クラウドベースのプロジェクト管理プラットフォーム「アサナ(Asana)」を提供。フェイスブック、グーグル、ハーバード大学など8万2000社超の法人顧客が使用し、20年7月末時点の有料ユーザー数は130万人を超える。
 ただ、作業管理ソリューションは、競合他社の多い分野。主な競合には、生産性ツールを提供するマイクロソフト(@MSFT/U)やアルファベット(@GOOGL/U)のほか、プロジェクト管理ツールを手がけるアトラシアン(@TEAM/U)、スマートシート(Smartsheet Inc.)、マンデードットコム(monday.com Ltd.)などがいる。
 2020年1月通期業績は、売上高が前年比85.75%増の1億4260万ドル、純損失が1億1858万ドルに膨らむという結果(前年の純損失は5092万ドル)。20年7月中間期は、売上高が前年同期比63.33%増の9973万ドルに拡大し、純損失が7691万ドルに拡大している(前年同期の純損失は3054万ドル)。コロナ禍で各企業が在宅勤務を導入するなか、市場シェアの獲得に向けて販売・マーケティング費用をほぼ倍増させていることが響いた。


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