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2020/03/09 09:30

ダウ先物1000ドル安、新型コロナ拡大や原油値下げ競争の懸念で 無料記事

 週明け9日朝方(日本時間9時26分現在)のNYダウ先物は、約1000ドル(約4%)の下落で始まった。米CNBCによると、新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な景気減速、産油国間で減産強化交渉が決裂したことによる原油価格競争の懸念が逆風だ。
 石油輸出国機構(OPEC)が5日打ち出した減産強化計画について、非OPECの産油大国ロシアが同意せず、先週末6日の「OPECプラス(OPECとロシアなど非加盟国で構成)」で交渉が決裂した(6日のWTI原油は約10%安)。以前に「OPECプラス」で合意された減産計画が3月末で期限切れになるため、主要産油国は4月以降に増産できることになる。実際、原油価格をサポートする試みを続けてきたサウジアラビアは方針を転換。「4月の公式原油販売価格を引き下げた」と報じられている。これにより、WTI原油先物は9日、1バレル30.00ドル(↓27%)に落ち込んだ(日本時間9時26分現在は約20%安に下げ幅を縮小)。
 今後の原油価格動向については、一部の専門家が一段の下げを予想している。エクソンモービル(@XOM/U)の元上級中東顧問で現在は米戦略会社、ドラゴマン・ベンチャーズのCEOを務めるアリ・ケデリー氏は8日、自身のツイッターに「今年中に1バレル20ドルになるだろう」と投稿。「イラク、イランなど産油国寡占体制の失敗による崩壊は、COVID-19(新型コロナウイルス)と組み合わせて“1-2パンチ”になる可能性がある」と警鐘を鳴らした。
 一方、ゴールドマン・サックスは原油価格競争が発生した場合でも20ドルまではいかないとみている。1バレル35ドルが底値になると見込んだうえで、第2四半期に1バレル平均42ドル程度で推移すると予測した。ドバイ銀行大手のエミレーツNBDも、第2四半期にWTI価格が平均1バレル40ドルで推移すると予想している。


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