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2020/01/24 09:57

中国新型肺炎の流行、米株市況への影響は現時点で限定的 無料記事

 中国武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎が中国各地、海外の一部に広がるなか、米株市況への影響を見極める動きが続いている。23日付のCNBCによると、「ウイルスの拡大が止まらない限り、(より致命的に変異するなど)追加ニュースでマーケットが一時的に大きく動く可能性が残っている」という見方もあるものの、米株市況への影響は現時点で限定的だ(23日はダウ平均が前日比0.09%安と3日続落する一方、ナスダックは0.20%高と続伸)。「感染が急拡大しない限り、米株市況への影響は中国より小さい。現在の米株市況は独自の動きをしているため、来週の米連邦準備制度理事会(FRB)のバランスシートに関する発表のほうが新型コロナウイルスのニュースよりもインパクトがある」という意見もあった。中国経済への影響については、「(24日からの中国春節連休の前ということもあり)推定するには時期尚早」と保留する見方が多い。
 新型コロナウイルスの致死率はやや低め。2002年後半〜03年にかけて流行した中国発のSARS(重症急性呼吸器症候群)は感染者数が約8000人、死亡者数が800人近く(致死率:10%近く)に上っていたものの、今回の新型コロナウイルスは現時点で感染者数が653人、死亡者数が18人(致死率:3%弱)にとどまっている。世界保健機関(WHO)は23日、「国際的に懸念される公衆衛生の緊急事態」を宣言するかどうかを検討したが、意見が分かれ、結局「時期尚早」として宣言を見送った(なお、“中国では緊急事態だ”とも補足している)。
 マーケットへの影響については、米国よりもアジアへのインパクトが大きい。米国株式市場ではナスダックをはじめ、主要株価指数が今週も上昇基調を続けているものの、23日の上海市場は前日比で約2.8%下落し、人民元相場も弱含んだ。中国政府が武漢で全公共交通機関の運行をストップさせるなど、極端な政策を導入したことが懸念材料だ(その後も、複数の都市が“封鎖”された)。中国景気・消費への影響が警戒されるなか、航空燃料やディーゼル、ガソリン、銅など国際商品価格も下落傾向にある。


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