先週末25日のNY株式市場は、金融株を中心に強含む展開。主要指標のダウ平均が前日比237.02ドル（0.69％）高の34433.84ドルと続伸して取引を終えた（ハイテク銘柄を中心に構成されるナスダック総合指数は、0.06％安の14360.39ポイントと小反落で終了）。機関投資家がベンチマークとするS&P500指数も14.21ポイント（0.33％）高の4280.70ポイントと続伸し、連日で過去最高値を切り上げている。
　インフレの高進は想定内。この日発表された5月・米個人消費支出(PCE)統計では、価格指数が前月比0.4％上昇、コア価格指数が同0.5％上昇と高水準だったが、前月（それぞれ0.6％上昇、0.7％上昇）から鈍化し、市場予想（それぞれ約0.5％上昇、約0.6％上昇）も下回った。
　セクター別では、S&P500全11業種のうち10業種が上昇（ウエイト最大の情報技術のみ下落）。なかでも金融セクターが高い。金融大手のジェイピー・モルガン・チェース(@JPM/U)が1.01％高、バンク・オブ・アメリカ(@BAC/U)が1.94％高、ウェルズ・ファーゴ(@WFC/U)が2.66％高と値を上げた。10年債利回りが1.52％（↑0.03ポイント）と上昇して利ザヤ拡大が期待されたほか、米連邦準備理事会(FRB)が実施したストレステスト（健全性審査）について米銀23行が良い結果を出したことがプラス材料。自社株買い計画や配当の引き上げが期待されている。
　このほか、公益や生活必需品などディフェンシブセクターが堅調。再生エネルギー大手のネクステラ・エナジー(@NEE/U)が1.34％高、消費財大手のプロクター＆ギャンブル(@PG/U)が1.43％高と上昇した。
　この日発表された企業決算はまちまち。調整後EPSが小幅な上振れにとどまった物流大手のフェデックス(@FDX/U)が3.87％安と売られる一方、スポーツ用品大手ナイキ(@NKE/U)が15.53％高と急騰して過去最高値を更新した。ナイキは第4四半期（3〜5月）業績が大きく上回ったほか、22年5月通期ガイダンスも市場予想を上回った。



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