今週のＮＹ市場は、引き続き値動きの荒い展開が想定される。ヘッジファンドの空売り対象になった一部の銘柄に対し、個人投資家が集中して買い向かった結果、ヘッジファンド側の損失が膨らみ、（利益を確保するため）他の保有優良株を売却する動きが表面化しているためだ。こうしたなか、恐怖指数と呼ばれるＶＩＸ指数は先週末時点で33ポイントと高い水準にある。
　また、1月のISM製造業・非製造業景況指数、ＡＤＰ雇用統計、非農業部門新規雇用者数など主要経済指標の発表が相次ぐことも様子見スタンスを強める要因。新型コロナの感染拡大による影響を見極めたいとして、目先は積極的な動きが取りにくい状態だ。
　追加景気対策の見通しも不透明。バイデン大統領は1.9兆米ドルの経済対策案を発表しているが、民主党内でも異論が出るなか、そのまま議会を通過する可能性が低いとみられている。
　もっとも、本格化した主要企業の1-3月決算は総じて事前予想を上回る良好な結果。したがって、今後は業績の改善期待が徐々に高まる可能性もある。


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