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2021/04/26 09:33

週間相場見通し:高値圏で揉み合いか 無料記事

 今週のNY市場は、好調な地合いを引き継ぎながらも、増税観測の浮上で上値が抑えられる場面がみられそうだ。
 投資センチメントは全体として悪くない。まず、主要企業の1 3月期決算が総じて好調なことがプラス(発表済み企業のうち、業績の上振れは先週末時点で8割超)。また、経済指標の改善基調も安心材料になる(4月のマークイット総合PMIが過去最高を更新したほか、3月の住宅着工件数や週間の新規失業保険申請件数なども事前予想より良い内容で着地)。今週発表される第1四半期GDPや3月の耐久財受注、4月のカンファレンスボード消費者信頼感指数も、前回からの改善が見込まれる状態だ。
 一時警戒されていた長期金利の動向も、ここに来て落ち着きを取り戻している。企業業績や景気指標の改善にもかかわらず、先週末(23日)の米10年債利回りは1.56%まで低下(3月30日は1.77%)。恐怖指数と呼ばれるVIX指数が17.4%にとどまるなか、インフレ懸念を背景にしたリスクオフの動きも見当たらない(今週28日に開催されるFOMCでも、政策金利の変更はないとみられている)。
 もっとも、「バイデン大統領が28日の施政方針演説で増税意向を表明するのではないか」と警戒されている点には要注意。子育てや介護を軸とする「米国家族計画」を今月中にまとめる見通しのバイデン政権は、これと同時に富裕層に対するキャピタルゲイン課税を現行の20%から39.6%に引き上げたい考えとも伝えられている。民主党が上院で完全過半数(議長を入れて過半数)を押さえていないため大幅な税率引き上げ実現は難しい状態だが、株価水準が高いだけに手仕舞い売りの口実にされる恐れもある。


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