16日のNY株式市場は、米景気の回復期待で買われる展開。主要指標のダウ平均は前日比526.82ドル(2.04％)高の2万6289.98ドル、ナスダック総合指数は169.85ポイント(1.75％)高の9895.87ポイントと、そろって3日続伸して取引を終えた。
　米消費指標の大幅な改善が刺激材料。5月の小売売上高が前月比の17.7％増加し(
統計を開始して以来、最大の伸び率を記録)、市場予想(約8.0％増)を大きく上回った。衣料品を中心に、すべての品目で売り上げが増加している。
　米政府による大規模なインフラ整備構想も支援材料。ブルームバーグ通信は15日、「景気刺激策の一環として、トランプ政権が総額1兆ドル規模の計画を準備している」と報じた。暫定案によると、道路や橋の整備に加え、5Gやブロードバンド環境の改善なども盛り込まれているという。
　幅広い銘柄が買われるなか、ダウ平均を構成する30銘柄がすべて上昇。キャタピラー(@CAT/U)が5.26％高、メルク(@MRK/U)が3.99％高、ボーイング(@BA/U)が3.58％高、ホーム・デポ(@HD/U)が3.56％高と値を上げた。
　セクター別では、S&P500指数を構成する11業種がすべて上昇。なかでも、エネルギーの上げが目立つ。国際エネルギー機関(IEA)が「来年に石油需要が増加する」と発表したことで、シェブロン(@CVX/U)とエクソン・モービル(@XOM/U)が3.07％、2.25％ずつ上昇したほか、ＥＯＧリソーシズ(@EOG/U)が4.58％高、コノコフィリップス（@COP/U）が4.06％高と買われている。
　ハイテク大手を中心に情報技術も高い。アップル(@APPL/U)が2.65％高、シスコシステムズ(@CSCO/U)が2.49％高、マイクロソフト(@MSFT/U)が2.45％高、アドビ（@ADBE/U）が2.57％高と値を上げた。
　他の個別動向では、製薬大手のイーライリリー（@LLY/U）が15.68％高と急伸。「乳がん治療薬の第3相臨床試験で、特定の乳がん患者の再発と死亡を防ぐ効果が確認された」と発表したことが追い風だ。


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