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2021/06/07 10:02

米国株週間相場見通し:底堅い値動きか 無料記事

 今週のNY株式市場は、全体として堅調な値動きが予想される。景気回復観測が根強い上、テーパリング観測が後退しつつあるためだ。ただ、インフレ懸念が上値を抑える可能性もあり、一本調子の上昇にはなりにくいだろう。
 先週末4日の長期債金利が一気に1.55%まで低下したことで、前述したようにテーパリングの懸念が薄らいだといえる。5月の非農業部門雇用者統計が下振れたことがきっかけだ。
 一方で、失業率や平均時給が事前予想より良かったことから、引き続き景気の回復基調は不変。クリーブランド連銀のメスター総裁は「雇用統計は堅実な内容だったが、(テーパリング議論を進めるには)さらなる進展を見たい」とコメントしている。
 実際、米景気の回復期待はここに来て一段と強まる状態。ワクチン接種加速によって、経済活動の正常化が進んでいる点が大きい。こうした中、7月4日の独立記念日でバイデン大統領による「ウイルスからの独立宣言」が実現しそうな勢いだ。また、バイデン大統領が法人増税案(28%への引き上げ案)の撤回を提案した点もプラス。市場では、「この動きがインフラ投資計画の議会通過につながる」と歓迎されている。
 もっとも、テーパリング観測が後退したとはいえ、インフレ懸念が根強いことには注意が必要。4月CPIの上振れによって株式市場が急落したことから、今週10日に予定される5月CPIの発表をにらみながら警戒感が高まりやすい状態だ。FOMC(6月15-16日)を来週に控えていることも、投資家の慎重姿勢を強めよう。


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