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2021/05/31 09:45

米国株週間相場見通し:底堅い値動きか 無料記事

 今週のNY株式市場は、経済正常化の期待で強含む展開が予想される。新型コロナのワクチン接種が進む中(先週末までの接種率は米国で約50%、欧州で約36%)、各種の経済活動がコロナ前の状況に戻りつつあるためだ。また、バイデン大統領が先週末に発表した予算教書で6兆米ドルの歳出を求めたこともプラス。共和党の反対などで規模が縮小される可能性もあるが、目先の期待材料になることに変わりはない。
 長期金利動向の落ち着きも安心材料。先週の米10年債利回りが一時1.55%まで低下するなど、今月中旬まで燻っていた上昇トレンド回帰の懸念がほぼ払しょくされたといえる。足元の景気回復状況について、「予想を上回るほどは過熱していない」と受け止められていることが要因だ。実際、主要経済指標も強弱が入り混じる内容。週間の失業保険申請件数こそ予想より良い結果だったが、4月の新築・中古住宅販売や5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数などはいずれも予想に届いていない。
 さらに、マーケットがテーパリング観測を特段マイナス材料視していない点も大きい。FRBのクラリダ副議長が先週、「今後数回の会合でテーパリングの議論を始めるかもしれない」と観測気球を上げたが、マーケットの反動は限定的であった。したがって、今週発表される5月のマークイットPMIやISM非製造業景況指数、雇用統計などが弱ければ、テーパリング観測の後退がマーケットの押し上げ要因になり得よう。
 なお、本日31日のNYマーケットはメモリアルデーで休場となる。


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