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2021/07/05 09:29

米国株週間相場見通し:下値の堅い展開か 無料記事

 今週のNY株式市場は、景気回復の期待で底堅い値動きが続きそうだ。景気回復に伴うインフレやテーパリングの懸念もくすぶるが、このところの市場は早期テーパリング観測に対する「免疫」をつけ始めているといえよう。
 米景気の回復期待は、以前にも増して強まっている。注目された6月の非農業部門雇用者数は85万人となり、市場予想の72万人を大きく上回る結果。先に発表された6月ADP雇用統計や週間失業保険申請件数も、そろって予想より良い内容だった。
 また、前述したようにインフレや早期テーパリングの懸念も織り込まれつつある。1日発表された6月ISM製造業景況指数の仕入れ価格指数が急上昇したにもかかわらず、特に引き締め懸念が強まることはなかった。6月雇用統計で失業率が悪化したことも、早期テーパリング観測の後退につながり、米10年債利回りが再び1.42%台まで低下している(こうしたなか、2日の主要3指数は軒並み最高値を更新)。
 今週公表されるFOMC議事録に関しても(ネガティブな内容が盛り込まれたとしても)特段のサプライズにならないだろう。ダラス連銀のカプラン総裁が先月30日に「年内早めのテーパリングが望ましい」と発言したについても、市場で取り立ててマイナス材料視されなかったためだ。このところの市場は、こうした動きに「耐性」、「免疫」をつけ始めているようにみえる。
 もっとも、足元の株価に過熱感が強まっていることも事実。ナスダックの14日RSIは2日時点で73.6まで上昇、過熱を示す70を上回った。この水準に達した際には、高い確率で調整局面に入った経緯がある。


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