詳細
検索 (期間指定)
期間

2021/04/19 09:25

週間相場見通し:堅調な値動きか 無料記事

 今週のNY市場は、良好な地合いを受け継ぐ流れとなろう。
 懸念される米中対立の激化についても、目先は相場の波乱要因になることがなさそう。日米首脳会談の共同宣言に新疆や台湾、香港が盛り込まれたことに中国が強く反発しているものの、それ以上の行動をとるように見受けられないからだ。むしろ今週は、海南島ボーアオ・フォーラムや気候変動サミットが予定されていることから、米中対話への期待が高まる可能性もある。
 米景気の先行き見通しが明るいことも安心材料だ。4月のNY連銀製造業景況指数が大きく上振れたほか、週間新規失業保険申請件数も予想より良かった(57.6万人にとどまり、市場予想の70万人や前週の74.4万人を大きく下回る)。今週発表される4月のマークイットPMIについても、製造業・非製造業がそろって3月実績を上回る見通しだ。
 また、景気が上向いているものの、FRBの金融緩和スタンスには変化がないと思われる。新規失業保険申請件数が大きく改善したとはいえ、コロナ前の水準(40万人前後)に比べればはるかに高いためだ。これも「居心地の良い適温(ゴールディ・ロック)の相場」をもたらす要因として期待されよう。
 さらに、一時警戒されていた長期金利の動向も落ち着きを見せている。景気指標の改善にもかかわらず、先週末の10年債利回りは1.58%まで低下(3月30日の1.77%から約0.19ポイント低下)。債券需給の悪化状態が1 2カ月程度で終わりを迎えることもあり、今後数か月は利回り低下の基調が続くとの楽観スタンスもみられる。
 主要銘柄の業績上振れ期待も根強い。S&P500構成銘柄の1 3月期・予想増益率は、年初の15%前後から30%超まで上向いたこともあり(皮切りとなった金融機関が軒並み好調であったことが貢献)、最終的には増益率の平均がさらに上振れるとの見方もある。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース