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2022/08/04 09:52

年内さらに1.5%の利上げ余地、米不況入りは否定=ブラード総裁 無料記事

 このところ米国株式市場で「インフレピーク」論が浮上し、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融引き締めを近く緩めることへの期待感が広がっていたものの、当局者からは「タカ派」的なコメントが続いている。
 セントルイス連銀のブラード総裁は3日、CNBCの経済ニュース番組「Squawk Box」のインタビューで、インフレ率が低下しているという説得力のある証拠が得られるまで利上げを続ける方針を示した。年内にフェデラルファンド(FF)レートの誘導目標を「3.75〜4.00%」に引き上げたいという「タカ派」的な考えを示している。これは7月会合で決まった「2.25〜2.50%」から年内さらに1.5%の利上げ余地があるとの予想で、米連邦準備理事会(FRB)の現在の22年見通し(3.25〜3.5%)を0.5%上回っている。
 なお、ブラード総裁は米国の不況入りを否定。「私たちは現在、景気後退に陥っていない。過去2四半期の実質GDP成長率はたしかにマイナスだ。見る人によっては景気後退が目に入っている」と述べる一方、「今年上半期の雇用の伸びを踏まえると、景気後退にあるとは言い難い。失業率は3.6%で横ばい推移している」と強調した。今年下半期の動向については、かなり堅調な成長がみられるものの、雇用の増加は長期トレンドに向かって減速していくと見込んでいる。
 利上げ継続のメッセージは、他のFRB当局者(サンフランシスコ連銀のデイリー総裁、シカゴ連銀のエバンス総裁、クリーブラント連銀のメスター総裁)が2日に発したものと同じ。インフレとの戦いがまだ終わっておらず、金融政策の一段の引き締めが必要になるとの見解だ。
 CMEグループの「Fed Watchツール」では、9月会合で0.50%利上げ(FFレート:2.75〜3.00%)が行われる可能性が58%、0.75%利上げ(FFレート:3.00〜3.25%)が行われる可能性が42%とほぼ半々(日本時間4日時点)。その後、11月会合、12月会合で0.25%ずつ利上げされるとの見方が有力だ。ターミナルレート(利上げの最終到達点)は「3.25〜3.50%」前後とされ、23年夏季には利下げに転じる可能性も浮上している。


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