2020/06/08 10:24
◇週間相場見通し:底堅い展開か
今週のNY株式市場は、好調な地合いを引き継いで強含む流れが続きそうだ。過剰流動性と米景気の早期回復期待が相場を下支えする要因。後者に関しては、先週末(5日)発表された5月の雇用統計が予想外の好結果だったことが追い風となる(非農業部門雇用者数が前月比で250万人増加し、890万人減少という予想から一転してプラスを達成。また失業率も13.3%に踏みとどまり、予想の19%を大幅に下回った)。先週末のマーケットはこれを素直に好感し、主要3指数が2.06% 3.15%の上昇を記録した。
こうした流れを受けて、市場では空売り(ショート・ポジション)の解消が進んでいる。新型コロナでセンチメントが崩壊したときに売り込んだ向きが、このところの強気相場で買い戻しを迫られ、いわゆる踏み上げ相場となっているのだ。5日の市場でナスダックが早くも高値を更新するなど、「意外な展開」に売り方は虚を突かれた格好となり、ショート・ポジションの残高がまだ高水準で残ったまま。金融緩和による潤沢な資金流動性と相まって、ここから売り方の買い戻しがさらに加速する可能性が高い。
もっとも、不安要因も少なくない。米国内では黒人差別問題やSNS規制がクローズアップされているほか、米中対立の火種も残る。また景気回復期待も諸刃の剣で、これによる長期金利の上昇が高PERのハイテク銘柄の上値の重しになる可能性があろう。雇用統計の上振れも、今週予定される米FOMCにはややネガティブ。大規模な追加緩和が打ち出される可能性が遠のくかもしれない。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
こうした流れを受けて、市場では空売り(ショート・ポジション)の解消が進んでいる。新型コロナでセンチメントが崩壊したときに売り込んだ向きが、このところの強気相場で買い戻しを迫られ、いわゆる踏み上げ相場となっているのだ。5日の市場でナスダックが早くも高値を更新するなど、「意外な展開」に売り方は虚を突かれた格好となり、ショート・ポジションの残高がまだ高水準で残ったまま。金融緩和による潤沢な資金流動性と相まって、ここから売り方の買い戻しがさらに加速する可能性が高い。
もっとも、不安要因も少なくない。米国内では黒人差別問題やSNS規制がクローズアップされているほか、米中対立の火種も残る。また景気回復期待も諸刃の剣で、これによる長期金利の上昇が高PERのハイテク銘柄の上値の重しになる可能性があろう。雇用統計の上振れも、今週予定される米FOMCにはややネガティブ。大規模な追加緩和が打ち出される可能性が遠のくかもしれない。
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