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2022/07/06 10:42

景気後退シグナル再び点灯、米国債の2年物と10年物が「逆イールド」 無料記事

 3連休明け5日のNY債券市場では、景気後退のシグナルとされる「逆イールド」が再び発生した。CNBCによると、同日正午の時点で政策金利動向に敏感な米2年債利回りが2.792%、長期金利を代表する10年債利回りが2.789%まで低下。最終的にはそれぞれ2.82%(前日比↓0.01ポイント)、2.81%(同↓0.07ポイント)となった。
 市場で注目されている2年物と10年物の「逆イールド」の発生は、金利が急騰していた6月半ば以来(最初の反転は3月31日)。債券市場が健全な場合、満期までより長い債券の利回りが高くなることが一般的だが(例えば通常は10年債利回りは1年債利回りより高くなる)、債券の利回りと償還期間との相関性を示した利回り曲線が反転(=逆イールド)すると景気後退の予兆とされる(1969年以降過去8回の景気後退期を予告した実績がある)。具体的には、「逆イールド」によって(預金で資金を集めて長期で貸し出すことで利益を得る)銀行が稼ぐことができなくなり、貸し付けペースの鈍化につながり、経済活動ペースが鈍くなる恐れがある。
 ただ、アナリストの多くは現在、年内の景気後退を予測していない(来年の縮小可能性を予測する向きはある)。「逆イールド」の発生から景気後退に至るまで平均で17カ月前後かかるとの指摘もあり、さらに多くの証拠が必要との見方もある。


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