2020/02/24 14:06
◇週間相場見通し:上値の重い展開か
今週のNY株式市場は、景気不安の高まりで軟調な値動きになろう。先週末21日の市場では、主要3指数が0.78%〜1.79%の下落。同日発表された2月のマークイットPMIが大きく下振れたほか、同月の製造業PMIとサービス業PMIがそれぞれ50.8と49.4に落ち込むなど(それぞれ2019年8月以来の低水準、2013年10月以来の低水準を記録)、新型肺炎の影響が企業活動に反映され始めたことが嫌気された。
新型肺炎がこのところ、中国以外に飛び火していることも不安を高める要因。日本や韓国で感染者が急増するなか、アジア全体の経済活動にマイナス影響が拡大しているとの見方が強まった。中でも、韓国の動向には注意を要する。サムスンの工場が一時停止となったこともあり、週明け24日の韓国総合株価指数(KOSPI)は日本時間14:00現在3%超の下落を強いられている(200日移動平均まで急落)。
米国国内の動きでは、民主党の予備選からも目が離せない。薬価引き下げや富裕層増税などを主張するサンダース候補が独走していることで、株式市場にとってネガティブと受け止められているためだ。「急進左派のサンダース候補に勝ち上がってもらった方が、むしろトランプ大統領の再選可能性が高まる」と伝えられているが、市場の地合いが悪いだけに、3月3日のスーパーチューズデーに向けてサンダース候補の躍進が悪材料視される恐れもある。
一方、ここに来て利下げ観測が再び浮上してきたことはポジティブ。21日の10年債利回りは一時1.44%を割り込み、19年9月以来の低水準を記録した。
こうした環境を総合的に考えれば、(NY市場が過熱気味に推移してきたこともあって)今回の下げが一時的なスピード調整にとどまる可能性もあろう。
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