19日のNY株式市場は、大型ハイテク株を中心に売りが続く展開。主要指標のダウ平均が前日比211.02ドル（0.56％）高の3万7986.40ドルと続伸する一方、ハイテク株を中心に構成されるナスダック総合指数が319.49ポイント（2.05％）安の1万5282.01ポイントと6日続落で取引を終えた。機関投資家がベンチマークとするS&P500指数も、43.89ポイント（0.88％）安の4967.23ポイントと6日続落で引けている。
　引き続き、中東の地政学リスクとインフレ動向に絡む早期利下げ観測の後退が相場の重し。「イスラエルがイランに攻撃を開始した」と報じられたものの（原油価格は一時3％超の急伸）、同攻撃が「限定的」な範囲にとどまったとの見方も出た。原油価格が結局小幅高にとどまり、米相場の影響は限定的だったが、年初来の強気相場をリードしてきた銘柄から資金が流出する動きは続いている。
　セクター別では、S&P500全11業種のうち5業種が下落。大型ハイテク株を含む情報技術（↓約3％）、コミュニケーション（↓約2％）、一般消費財（↓約1％）の下げが目立った。直近決算が上振れたものの、ガイダンス下振れなどでネット動画配信大手のネットフリックス(@NFLX/U)が9.09％安と急落したことが重し。また、好業績予告が無かったことが嫌気されたサーバー大手のスーパー・マイクロ・コンピューター(@SMCI/U)が23.14％安と急落したことで、半導体銘柄など他のAI関連銘柄にも売りが波及し、GPU大手のエヌビディア(@NVDA/U)が10.00％安、アドバンスト・マイクロ・デバイス(@AMD/U)が5.44％安、ブロードコム(@AVGO/U)が4.31％安、メモリー大手のマイクロン・テクノロジー(@MU/U)が4.61％安と売り込まれた（SOX指数は4.12％安）。年初来で上げ幅が大きいSNS大手メタ・プラットフォームズ(@META/U)や医薬品大手イーライ・リリー(@LLY/U)もそれぞれ4.13％、2.63％ずつ値を下げている。
　一方、ディフェンシブな公益、生活必需品のほか、金融、エネルギーなど6業種は上昇。特に金融株の上げが目立ち、JPモルガン・チェース(@JPM/U)が2.51％高、バンク・オブ・アメリカ(@BAC/U)が3.353％高と買われた。直近決算の上振れでクレジットカード大手アメリカン・エキスプレス(@AXP/U)も6.22％高と急伸している。


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