今週のNY株式市場は、内外環境の安定で全体として堅調な流れが続きそうだ。
　外部的には、先週末に実施された米中首脳の電話会議がプラス。トランプ大統領と習近平主席が10月末のAPECで対面会談を行うことが明らかになるなど、米中関係の改善が期待される流れだ。
　内部的には、先週の米連邦公開市場委員会（FOMC）が期待通りの結果となったことが安心材料。政策金利が0.25％引き下げられたうえ、米連邦準備制度理事会（FRB）メンバーによる年内利下げ回数の見通しが6月時点の2回から3回（今回を含む）に上方修正された。パウエルFRB議長が「労働市場が非常に堅調とは、もはや言えない」と金融緩和に理解を示したこともポジティブだ。
　もっとも、足元の経済指標にはやや矛盾した内容が見て取れる。先週発表された米失業保険申請件数が約4年ぶりの大幅減を記録するなど、就業環境がそれほど悪化していない状況を示したのだ。したがって、今週発表される9月製造業・サービス業PMIや8月のPCE価格指数の内容次第では株価が一時的な調整を強いられる場面も見られよう。その場合は、過熱水準にあるナスダック総合指数やフィラデルフィア半導体指数（SOX）の構成銘柄を中心に利益確定の売りが膨らむ可能性もある。


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