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2020/05/25 09:39

週間相場見通し:上値の重い値動きか 無料記事

 今週のNY株式市場は、米中対立の激化が懸念される中で買いが手控えられる流れか。先週(22日)開幕した全人代で、香港の民主化デモを取り締まるのが狙いとされる「国家安全法」の審議が行われることについて、トランプ大統領や米議会が厳しく批判していることが不安材料。米国は週末に「エンティティ・リスト」(貿易相手として不適格と判断した個人や企業、団体のリスト)の登録対象企業を33社増やしたほか、米国に上場する中国系ADR銘柄への監視を強化することや華為(ファーウェイ)への製品供給に厳しい制限を課すことなどを決めている。

 全人代の開催中ということで、中国側も強硬姿勢を取らざるを得ず、緊張はエスカレートする方向に進むことになる。こうした折、香港では昨日24日に民主派が数千人規模のデモを実施するなど(180人以上が逮捕された模様)、事態が一層複雑化しはじめた形だ。

 安値圏から大幅に値を戻してきただけに、NY市場のバリュエーションの高さも上値を抑える理由になり得る。決算発表を受けて個別の銘柄が値を伸ばすことがあっても、相場全体の上値余地は限られるとみるべきだ。

 もっとも、弱いながらも米景気回復の兆しがみられることはプラスで(5月のマークイットPMIが36.4に上昇。前月の27.0から大幅に回復し、「最悪期を脱した」との観測も浮上)、経済活動再開が進むにつれて楽観的観測が強まりやすいのも事実。また、ワクチンや治療薬の開発が進むことも支援材料となる。米国立アレルギー感染症研究所が「年末か来年早々にはワクチンを投入できる可能性が高い」と自信を示したこともあり、今の市場は、感染拡大「第2波」の懸念よりも感染抑制の期待に傾いているようだ。
 なお今晩(25日)のNYは、メモリアルデーのため休場。


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