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2025/10/20 10:05 NEW!!

米地銀不良債権の「波及リスク見当たらず」、ムーディーズ幹部が見解 無料記事

 米国中堅銀行の不良債権問題への懸念が高まるなか、格付け会社ムーディーズ・レーティングスの幹部は17日、「金融システム全体に波及するリスクは見当たらない」との見方を示した。同社グローバル・プライベート・クレジット部門責任者のマーク・ピント氏はCNBCの番組で、融資基準の緩みや融資条件の甘さへの懸念を認めつつも「信用サイクルの転換点を示す証拠は見つからない」と指摘。「過去数四半期の資産査定数値を見ても悪化はほとんど見られない」と述べた。
 16日のNY株式市場では、ザイオンズ・バンコーポレーション(@ZION/U)とウェスタン・アライアンス・バンコープ(@WAL/U)が自動車ローン業者2社の破綻に絡む不良債権の保有を開示したことが引き金となり、地銀株を中心に金融株が全面安の商状となった。投資銀行ジェフリーズ(@JEF/U)も今月、破綻した自動車部品メーカーへのエクスポージャーを開示し、株価の下落が続いていた。JPモルガン・チェース(@JPM/U)のダイモン最高経営責任者(CEO)がこのほど「ゴキブリが1匹いたら、おそらくもっといる」と発言したことも市場心理を冷やしていた。
 ダイモン氏の発言に関し、ピント氏は「ゴキブリが1匹いても、トレンドにはならない」と反論。「ハイイールド債のデフォルト率が今年、5%未満にとどまり、2026年には3%を下回る見通し」と説明した。この水準は08年金融危機時の「10%台前半」と比べかなり低水準だ。また米国経済についても「予想より堅調で、GDP成長率は半年前の予想を上回っている」と指摘している。
 17日のNY株式市場では、中堅銀行の株価が反発。ザイオンズ株が前日比5.84%高、ウェスタン・アライアンス株が3.07%高、ジェフリーズ株が5.94%高で引けた。


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