11日のNY株式市場は、セクターごとに明暗分かれる展開。主要指標のダウ平均が前日比646.26ドル（1.34％）高の4万8704.01ドルと続伸する一方、ハイテク株を中心に構成されるナスダック総合指数が60.29ポイント（0.25％）安の2万3593.86ポイントと反落して取引を終えた。機関投資家がベンチマークとするS&P500指数は、14.32ポイント（0.21％）高の6901.00ポイントと続伸で終了。ダウ平均とS&P500は最高値を更新している（S&P500は終値ベース）。小型株を代表するラッセル2000指数も、31.00ポイント（1.21％）高の2590.61ポイントと続伸し、最高値を切り上げた。
　業務用ソフト・クラウド大手オラクル(@ORCL/U)の最新決算が期待外れだったことを受け、人工知能(AI)関連銘柄が軟調に推移する一方、景気敏感株やディフェンシブ株に資金が流れた。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げが決定し、パウエルFRB議長の政策トーンも想定よりタカ派的で無かったことが引き続き相場の支援材料。年末の「サンタクロース・ラリー」を期待する向きも多かった。米国債はほぼ横ばいで、VIX指数（恐怖指数）は14.85（↓0.92）と低下基調が続いている。
　セクター別では、S&P500全11業種のうち8業種が上昇。素材（↑2％超）、金融、資本財など景気動向に敏感なセクターが堅調だった。ブローカーの格上げでクレジットカード大手のビザ(@V/U)が6.11％高と急伸したほか、同業マスターカード(@MA/U)が4.55％高、金融大手のゴールドマン・サックス(@GS/U)が2.45％高、産金大手のニューモント(@NEM/U)が5.32％高、鉱山開発大手のフリーポート・マクモラン(@FCX/U)が3.57％高と値を上げている。ディフェンシブ銘柄では、小売大手のウォルマート(@WMT/U)が2.07％高、医療保険大手のユナイテッドヘルス(@UNH/U)が2.55％高と買われた。このほか、クルーズ銘柄の上げも目立ち、カーニバル(@CCL/U)とロイヤル・カリビアン(@RCL/U)がそれぞれ5.94％、7.42％ずつ上昇している。
　一方、大型ハイテク株を含むコミュニケーション、情報技術など3業種は下落。前述したオラクルが10.83％安と急落したほか、GPU大手のエヌビディア(@NVDA/U)が1.55％安、引け後の決算発表を控えたブロードコム(@AVGO/U)が1.60％安、ネット検索大手のアルファベット(@GOOGL/U)が2.43％安と値を下げている。ただ、場中にオープンAIが最新AIモデル「GPT-5.2」を発表したことなどもあり、総じて下げ幅は縮小した。



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