詳細
検索 (期間指定)
期間

2020/03/30 09:47

週間相場見通し:不安定な地合いが継続か 無料記事

 今週のNY株式市場は、全体として上値の重い展開になりそうだ。先週末27日の主要3指数は、前日比3.4〜4.1%安と軒並み急反落。新型コロナウィルスの感染拡大に歯止めがかからないことや、米景気の下振れ傾向が顕在化したことが嫌気された。また、上院に続き下院が同日、2兆米ドル規模の経済救済法案を可決したことについても、「材料出尽くし」とみなされプラス材料視されていない。
 新型コロナウィルスの感染拡大は、想像をはるかに超えるペースで加速している。欧州の状況が引き続き懸念されるほか、ここに来て米国の惨状がクローズアップされはじめる状況。27日の感染者数が8万6000人に膨らみ(全体で14万人を超えた模様)、中国やイタリアを上回ってしまった。また、米著名ファンドCFOの感染死亡もマーケットにとってダメージだ。
 経済活動への悪影響も顕在化しつつある。先週発表された米経済統計では、週間の失業申請件数が328.3万件と記録的水準に達したほか、ミシガン大学の3月・消費者信頼感指数(確定値)が89.1と3年半ぶりの低水準に沈んだ(予想の90を下回る)。今週は3月のISM製造業・非製造業景況指数や雇用統計などが発表されるが、市場予想を大きく下回るものが続出しても不思議ではない。
 ただ、金融市場の波乱が続けば、各種テコ入れ措置の期待が高まるのも事実。米国ではすでに、緊急利下げや大規模経済救済策が打ち出されているが、さらなる刺激策の導入もあり得よう。少なくとも、米国をはじめとする主要国の間で「金融危機は絶対に回避する」との決意が共有されている点はプラスだ。
 また、中国の動向にも明るい兆しがみられる。中でも、「大規模な経済刺激策が準備されている」と伝えられている点に注目。これが具体化されれば、中国のほか世界の金融・経済にとって朗報となる。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース