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2020/05/14 08:52

大引け概況(詳報): 続落、景気の先行き不安が強まる 無料記事

 13日のNY株式市場は、FRB議長が景気の先行きに対する悲観的な見方を示すなかで売りが継続する展開。主要指標のダウ平均は、前日比516.81ドル(2.17%)安の23247.97ドルと3日続落して取引を終えた。ハイテク銘柄を中心に構成されるナスダック総合指数も売られ、139.38ポイント(1.55%)安の8863.17ポイントと続落している。
 パウエルFRB議長はこの日朝の講演で、今後の景気見通しについて「非常に不確実であり、重大な下振れリスクがある」と発言。「回復が勢いづくまで時間がかかるかもしれない」とも述べるなど、従来より悲観的なトーンを示している。
 米中関係の悪化もマイナス材料。米連邦捜査局(FBI)はこの日、「中国からのサイバー攻撃が新型コロナウイルス関連の研究に携わっている米組織を標的にした」と警鐘を鳴らした。また、共産党系メディア「環球時報」が「米国の個人や団体が新型コロナ関連で中国に賠償を求めて訴えている件について、中国側は懲罰的な対抗措置を検討している」と報じたことも嫌気されている。
 セクター別では、S&P500全11業種がすべて下落。なかでもエネルギーや資本財、素材など景気循環セクターの下げが目立った。石油大手のエクソンモービル(@XOM/U)が4.96%安、石油サービス大手のハリバートン(@HAL/U)が9.06%安、航空機大手のボーイング(@BA/U)が2.97%安、重電大手のゼネラル・エレクトリック(@GE/U)が3.50%安と下落している。
 金融セクターも売られ、ジェイピー・モルガン・チェース(@JPM/U)が3.45%安、バンク・オブ・アメリカ(@BAC/U)が4.57%安、ウェルズ・ファーゴ(@WFC/U)が6.28%安と下落した。景気の先行き不透明感のほか、市場が21年初めのマイナス金利政策導入を織り込み始めたことが懸念されている。
 新型コロナの感染拡大で打撃を受けた銘柄群も大幅続落。航空大手のデルタ・エア・ラインズ(@DAL/U)が7.70%安、クルーズ船大手のカーニバル・コーポレーション(@CCL/U)が7.05%安で引けた。


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