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2020/03/09 10:30

週間相場見通し:不安定な値動きか 無料記事

今週のNY株式市場は、新型コロナウイルスの感染動向に一喜一憂しつつ乱高下する展開となろう。世界的な感染拡大に歯止めがかからず、中でも欧州や米国の状況が悪化する状態。イタリアで多くの地域が封鎖されたほか、ドイツやフランスでも感染者数が一段と増加した。また米国では、カリフォルニア州に続きNY州でも非常事態宣言が出されている。

新型コロナの感染拡大は、世界景気の先行き不安を強める。人の移動が制限されることで、経済活動が全般的に委縮するためだ。こうした状況の下、マーケットは足元の経済指標改善にほとんど反応しない。先週末に発表された2月の米雇用統計が上向いたにもかかわらず(非農業部門雇用者数が27.3万人増加し、市場予想の17.5万人増を大幅に上回ったにもかかわらず)、今後の景気動向が懸念される中でポジティブ材料視されなかった。今週から来週にかけて発表される経済指標についても、悪いものだけに反応する可能性が高い。

マーケットの逆風は新型コロナだけではない。新たな懸念材料として、原油安の問題がクローズアップされはじめた。「OPECプラス」が減産で合意に至らなかったことで、先週末のWTI原油先物は一時30%もの下落を強いられた。商品市況の急激な悪化はリスクオフ心理を強めるだけに、金融・為替マーケット全般の悪材料だ(実際、為替市場では円ドル相場が一時103円台に突入)。

もっとも、世界各国・地域の景気テコ入れ策に対する期待感も根強い。今週の欧州中央銀行(ECB)理事会では、何らかの金融緩和措置が打たれるとの見方が支配的。また来週の米FOMCでも、追加利下げが実施されるとの観測が強まっている。

新型コロナ発生源の中国で、新規の感染者数が急減していることも朗報。中国の沈静化傾向は、現在苦戦を強いられている欧米や日韓にも一定の安心感を与えよう。


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