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2018/12/17 08:33

大引け概況(詳報): 急落、世界経済の成長減速懸念で 無料記事

 先週末14日のNY株式市場は、リスクオフの動きが強まる展開。主要指標のダウ平均が前日比496.87ドル(2.02%)安の24100.51ドルと急反落し(終値ベースで今年5月以来の安値を記録)、ハイテク銘柄で構成されるナスダック総合指数が159.67ポイント(2.26%)安の6910.67ポイントと大幅続落して取引を終えた。機関投資家がベンチマークとするS&P500指数も1.91%下げ、今年4月以来の安値を更新している。
 主要経済指標が下振れるなか、世界経済の成長減速懸念が再燃。中国の11月・鉱工業生産や11月・小売売上高がそろって下振れたうえ、欧州でも12月のマークイット総合PMI(速報値)が市場予想を下回った(前月と比べて軒並み減速)。米国でも同様に、12月のマークイット総合PMI(速報値)が前月から減速し、市場予想を下回っている。貿易摩擦による悪影響で、中国を含めた世界経済の成長ペース鈍化が浮き彫りになった格好だ。
 S&P500全11業種はすべて下落。なかでも大型ネット・ハイテク株の下げが目立った。Eコマース大手のアマゾン・ドット・コム(@AMZN/U)が4.01%安、IT大手のマイクロソフト(@MSFT/U)が3.13%安、IT端末大手のアップル(@AAPL/U)が3.20%安、ネット動画配信大手のネットフリックス(@NFLX/U)が3.33%安と売られている。また、ソフトウェア大手のアドビ(@ADBE/U)も7.29%安と急落。第4四半期(9〜11月)の売上高が上振れたものの、高いバリュエーションが警戒されたようだ。
 このほか、ヘルスケアの下げも大きい。医薬品大手のジョンソン・エンド・ジョンソン(@JNJ/U)が10.04%急落したことをきっかけに、セクター全体が連れ安。メルク(@MRK/U)とブリストル・マイヤーズ スクイブ(@BMY/U)がそれぞれ3.20%、2.83%ずつ値を下げた。ジョンソン・エンド・ジョンソンに関しては、「ベビーパウダー製品にアスベスト(石綿)が混入するケースがあることを知りながら、当局への報告を長年怠っていた」とロイター通信が報じたことが急落のきっかけ。会社側は否定しているものの、集団訴訟リスクの高まりが警戒された。
 他の個別動向では、小売大手のコストコ・ホールセール(@COST/U)が8.59%安。第1四半期(9月〜11月)決算が上振れたものの、営業利益が小幅なマイナス成長を強いられるなど、競争激化に伴うマージン縮小が懸念された。


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