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2018/12/11 08:36

大引け概況(詳報): 反発、IT株などに押し目買い 無料記事

 週明け10日のNY株式市場は、いったん売られながらも買い戻される展開。主要指標のダウ平均が前営業日比34.31ドル(0.14%)高の24423.26ドル、ハイテク銘柄で構成されるナスダック総合指数が51.27ポイント(0.74%)高の7020.52ポイントと反発して取引を終えた。今年の安値水準に近づくなか、IT株を中心に押し目買いが入っている。
 朝方は軟調に推移し、ダウが一時2%超まで下落。英国のメイ首相が「EU離脱」を巡る投票を延期したことで、「合意なき離脱」の可能性が高まったと懸念されるなか、欧州株式市場が売られた流れを継いだ。貿易摩擦問題のほか、世界経済の成長に対するマイナス要因が増えつつあるため、不安心理を表すVIX指数は大台の20を超えた水準で高止まりしている。
 セクター別では、S&P500全11業種のうち8業種が上昇。IT株を買い戻す動きが特に目立った。SNS大手のフェイスブック(@FB/U)が3.22%高、IT大手のマイクロソフト(@MSFT/U)が2.64%高、ソフトウェア大手のアドビ(@ADBE/U)が2.56%高と買われている。フェイスブックに関しては、自社株購入枠の増額や一部ブローカーが割安感を指摘したことが好感された。半導体関連も強含み、GPU大手のエヌビディア(@NVDA/U)が2.88%高、モバイル半導体大手のクアルコム(@QCOM/U)が2.23%高、半導体大手のブロードコム(@AVGO/U)が4.68%高と値を上げた。
 なお、IT端末大手のアップルは0.66%高で終了。クアルコムとアップルとの特許裁判を巡り、中国の裁判所がクアルコムに有利な判決(=旧型iPhone製品の中国販売を差し止める仮処分)を11月30日付で下したことを受け、一時3%近く売られたものの、その後に買い戻された。アップル側は同判決について、全製品が依然として中国で販売されているほか、差し止めの撤回を申請する方針を明らかにしている。
 一方、金融やエネルギーなどのセクターは下落。原油先物の反落で石油大手のエクソンモービル(@XOM/U)が1.42%安、石油サービス大手のシュルンベルジェ(@SLB/U)が2.49%安と弱含んだ。また、逆イールドによる利ザヤの縮小が警戒されるなか、銀行大手のバンク・オブ・アメリカ(@BAC/U)とウェルズ・ファーゴ(@WFC/U)も、それぞれ2.63%、2.90%ずつ売られた。


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