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2022/07/29 09:46

4〜6月期の米GDP速報値は前期比0.9%減、2期連続のマイナス成長 無料記事

 米商務省経済統計局は28日、2022年4〜6月の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値を発表し、年率換算で前期比0.9%減に落ち込んだことを明らかにした。プラスの市場予想(約0.4%増)に反し、第1四半期(1.6%減)に続く2四半期連続のマイナス成長を記録した格好。公式には全米経済研究所(NBER)が「景気後退」かどうかを判断するものの、実質GDPが2四半期連続のマイナス成長を記録することは形式上「景気後退(の兆し)」と受け止められている。
 内訳をみると、GDPの約7割を占める個人消費が1.0%増と前期(1.8%増)から一段と鈍化した(市場予想:約1.2%増)。このほか、昨年後半にドライバーとなった民間国内投資が13.5%減ったほか(非住宅投資が0.1%減、住宅投資が14.0%減)、政府支出が1.9%減少するなど、幅広い分野で減速しつつある。
 なお、実際に「景気後退」に入ったかどうかは意見が分かれている。多くのエコノミストはNBERが「景気後退」を宣言すると予想していないほか、ウォール街のアナリストの多くも「今年後半または23年に景気後退入りする可能性はあるものの、現在はまだ入っていない」との認識だ。一方、ポリティコなどが今月初に実施した世論調査によると、過半数が「景気後退」に入ったと考えているという。
 GDPは国内経済で生産されたモノ・サービスの価値総額から生産時に使われたモノ・サービスの価値総額を引いたもの。「実質GDP」はインフレの影響を除いたGDPを指す(インフレの影響を含めたものは名目GDP)。米商務省経済統計局はGDPの推定値を3回発表している(速報値、改定値、確報値)。四半期の終わりから数えて1カ月目の月末に不完全かつ更新されうるデータに基づいて1回目を発表し、2回目と3回目はそれぞれ2カ月目、3カ月目の月末に、より詳細で包括的なデータに基づいて更新される。


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